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学び舎

TW2に在籍する「多鎖・薫」、TW4に在籍する「キース・アシュクロフト」のキャラブログ。知らない方は回れ右。 知って頂けている方はようこそ。暇潰しにでもどうぞ。

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光と闇と

03.27.2013


(ぱさり、と読み終わった報告書を置いた)





 結果を確認し、そして、詳細を読み、ひとつ深く溜息をつく。
 直接関わりのない人間の話だ。俺にとってはどうでもいい…――
 そう流してしまえたら、どんなに良いか。
 関わっていた者の一人が、クラスメイト…無論それだけではない。
 いつでも俺達は、その可能性がある、危うい存在なのだ。
 灼滅者とは、そんな存在…――そう、痛感させられる。

 助かる事が、『奇跡』なのかも知れないなとすらも、思える。
 俺自身も正直な話、闇堕ちしてしまった時、助けてもらえるか。
 仲間が闇堕ちしてしまった時、助けてやれるのか。
 自信が、ない。

 脳裏に過ぎる、忌々しい記憶。



『……俺はもうだめだ、キース』
『何を言ってる…!! これからなんだ、堕ちてはダメだ“”!!』
『まだ大丈夫だ…抑えていられる…。お前を死なせたりしない。だから…』

――…だから、今すぐ俺を殺してくれ。



「……っ…」

 あの時、俺はあいつの願う通りにした。それが救いだと、言ったから。
 俺もどこかで、それしか手段がないと、判っていたから。
 あの場にいた人数で、堕ちたあいつを救うことなどできなかっただろう。
 試みていれば、恐らく俺も、あの場にいた相棒も、死んでいた。
 
 判っているのに。今も尚こびりついている。人の繊維を、骨を、裂く感触。
 あの場で抱いた首だけになったあいつの重みが、まだ、脳裏に。
 あの時喉が枯れるほど、降りしきる雨の中で泣き叫んだ。
 喉を痛め、血を吐くほどに、叫ぶ事ができなくなるほどに。
 もう会えないのだと、自分が殺したのだと、認めることが出来なかった。
 認めたく、なかった。

 あの時使っていた剣は、どうしたのだったか。
 あの感触のこびりついた剣は、もう握れなかった。
 握るたび、脳裏に過ぎる、最後に笑った“”の顔。
 殺してくれと、ブラッドレイに願い、殴られたのはいつだったか。
 何度も悪夢に魘され、いつしか、笑えなくなった。
 あの悪夢は…仲間に味わって欲しくなど、ないのだ。

 俺は、あの子に出逢って救われた。その子はあいつと瓜二つの外見で。
 そして俺は、記憶をなくしたその子へ、“嵯峨根亨”と名をつけた。
 あの時自分が斬った親友の名を、その子へ。
 恐らく縋りたかった……いや、今も縋っているのだ。その存在に。
 あの時救えなかった彼との時間を埋めるように、ひたすら傍にいる。

 今の俺の笑顔は、きっと亨があってのものなのだろう。
 そして、今ある友があってのものなのだろう。
 もしもまた、あんな事になったら…。今度こそ、俺は…――

「大切なものを、増やしすぎたな……」

 元々いらなかったのに。俺には亨がいればそれで良かったのに。
 ブラッドレイが、亨が、それだけいれば、充分だった。
 貪欲に求めるから、失うことが怖くなるのだ。

 けれど。もしも友が増えたら。俺が堕ちた時、殺してくれと願えば。
 俺を殺してくれるだろうか。俺を救ってくれるだろうか。
 酷い矛盾だ。友とは俺を愛してくれる人間のことなのに。
 仲間、なのに。
 味あわせたくないといいながら、それを願う、とは。

「お笑い種だ」



 闇堕ちから灼滅者を救うという、奇跡。
 この学園では恐らく、当たり前になっていくのだろう。
 いや、当たり前にしてくれるのだ。仲間達が。
 ただもし救えなかったとき…彼らはどうするのだろうか。

「救えないのなら、灼滅してくれ」

 いつかの、あるかないかも判らない俺の望みは…――
 ――部屋に一言響き、虚空へと消えた。


    posted at 03:48 | キース関連 | TB(0) | CM(0)

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キース・アシュクロフト、多鎖・薫

Author:キース・アシュクロフト、多鎖・薫
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 この作品は、株式会社トミーウォー
カーのPBW『サイキックハーツ』用
のイラストとして、茜が作成を依頼
したものです。
イラストの使用権は茜に、著作権は
ravioに、全ての権利は株式会社ト
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